第22回菊武学園杯愛知県中学生将棋選手権大会を開催
「第22回菊武学園杯愛知県中学生将棋選手権大会」(学校法人菊武学園主催、菊華高等学校協賛、中日新聞社・尾張旭市教育委員会後援)が令和7年8月6日、名古屋産業大学尾張旭キャンパスで開催されました。当日は、愛知県内の中学校24校から57名が出場し、学年別個人戦の栄冠をかけて熱い戦いが繰り広げられたほか、プロ棋士・豊川孝弘七段による特別講演会や多面指し指導対局・感想戦が行われました。


その最中、個人戦の準決勝を前に、豊川七段による特別講演会が、同大学文化センター3階大ホールで行われました。豊川七段はユーモアあふれる語り口で、「将棋の由来」「奥深い将棋の世界」「将棋AIの誕生と発展の歴史」についてわかりやく解説され、将棋AIの誕生からプロ棋士に勝利するまでの道のりや、近年、AIを組み入れた将棋ソフト「PONANZA」の進化が将棋界に大きな変化をもたらしているとお話されました。その中で、将棋ソフトを駆使した極めて精緻な研究を続け、将棋界で絶対的な存在となった藤井聡太七冠にも触れ、どんな状況でも冷静さを保ち、驚異的な強さを誇るその秘訣について貴重なお話をいただきました。最後に「将棋界では、対局中の礼儀作法や対局相手への敬意、そして勝負の結果に対する態度など、様々な場面でその精神が求められます。食事や睡眠も大切ですが、他人を思いやる気持ちを持って、これからも頑張ってください」と参加した中学生に語りかけていました。約40分の講演が終わると、会場から大きな拍手が送られていました。
そして、会場横に設けられた場所で、豊川七段による指導対局が行われ、豊川七段は、抽選で選ばれた中学生10人と同時に対戦する多面指しで、プロの指し手を披露されました。指導対局後の感想戦では、対局した中学生に将棋の戦法などをわかりやすく丁寧に解説していました。中学生らは「プロ棋士から直接教わることができて、とても良い経験になりました。もっと力をつけて、次回の大会で上位の成績を残したい」と力強く話していました。


【大会結果】(優勝者のみ)
■第3学年の部 清水 太陽 氏(みよし市立三好丘中学校)
■第2学年の部 濱地 昌仁 氏(名古屋市立桜山中学校)
■第1学年の部 竹内 健悟 氏(春日井市立高蔵寺中学校)



そして、成績発表、表彰式、閉会式を終えた後、今年もそれぞれ学年の部で栄冠に輝いた中学生たちは友だちと喜びを分かち合い、楽しそうに記念撮影をしていました。
菊武学園杯愛知県中学生将棋選手権大会は、学校法人菊武学園創設者の故高木武彦学園長が、将棋好きで若い人たちを育成したいという思いから、日本将棋連盟東海普及連合会と協賛して毎年開催しています。次回(第23回)の開催は、学園長の誕生日である8月5日を予定しています。
この様子は、令和7年8月7日付の中日新聞朝刊「なごや東版」で紹介されました。